砂時計も読んだ覚えがあるけれど
特に思い出深いのはPiece。
あの漫画、ガラスの破片のようにじわりと刺さる言葉が多かった。
よく覚えてるのはバスの話。
私はバスを降りられない、「間違ったバス停」に惹かれる癖に、降り逃し続けてしまう凡な人間だなといまだになぞらえていたのだもの…
私の芯に確かに染み渡っている、そういうものを生んでくれた方の一人だったんだなと思う。
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ふと気づいた気づきとも言えないこと。
そのとき、その後は、須らく、そうでいない誰かへと渡るものということ。いつでも、彼女以外の人が語り、羨み、悼む。
それこそがあの甘やかさの正体だということ。
ああ、炭治郎が言っていた
「回帰しない」とは今更ながらそういうことなんだなあ。
二度とは戻らない。戻る必要がない。
取り戻せはしないこと。