岩本ナオはもっともっと評価されるべきとあちこちで言っておいて、いざ映像化されると腰が引けていたのかようやく観れました
……うーん
予告を見た時はあまり想像がつかなかったというか、
え、そこなんだ。やるなら天狗かマロニエの方が…
というのがまず来たけど
なるほど、こういう風になるわけかあ
ポイントポイントはいいのよね。
特に感情の盛り上がりの表現、
原作のコマをトレースしてる?ところはファンとしてはやっぱり良いなと思うし、あの独特の…眉間に力を入れる表情とかはキター!と少し湧いたし
けどまあ
仕方ないことだけれど原作を完全に再現はできないよね
端的に言って、淡々としていて透明な原作の空気感が殺されている。
そうしないと動画にメリハリがなくなる、事故る、というのはなんとなく分かるけど近くて大きいカットが穏やかにシーンにも多いのはどうしたものか
岩本先生はもっと小さくごみごみしてないと駄目なんだよ…
画面があっさり整理されすぎてると言い換えてもいいかな
アニメ絵はわりとそういうものだけど色の彩度が高い?こともあってどうにも綺麗すぎる。
回想とかでボヤっとさせてるとことか夜のシーンは良かったけど
なんだろう「そこで動かなくていい」と思うことも多かった
それから劇伴……
大きい。作りすぎという印象。
両国に作ってるテーマにしても、
金の国だったら砂漠です〜 と分かりやすいけれど正直安直というか。
そういうことじゃあないのではという軽微な違和感がつきまとう。すごくしっかり作ってると思われる分、作品(解釈)との微妙なミスマッチ感が残念
……あれ。なんか凄く厄介オタクムーブしてる気がしてきた
とはいえ元々、好きな作品の映像化は歓迎して観る反面、メディアミックス否定論者でもあるのが根っこではあるので
いや本当に。
展開がね、ないよりはある方が絶対に良いし、その出来によって良いものが広がる現象を広告・マーケティングの一言で切り捨てたいとは思わない
けれど、原作はやっぱり何があっても一番。
一番面白い、一番良いではなく、無二の本物という意味で
アニメになって動きが分かりやすいとか絵が整って見やすいとか、そういうことは沢山あるし、それらには確かに個別に称えられるべき成果があるのだろうが
翻案が原作に勝るという言説だけは認められない。
比べられる次元にはない
ただまあ、たとえ原作とは切り離されたものと割り切っても翻案の出来の上下はやっぱりファンとしては気に掛かるものだし
最近の、何でもアニメ化という流れが止まってほしいとまではいかないが
ガードが硬そうな姿勢は間違いではないんだろうなと思い直して少し反省している
作品それぞれには、それぞれの売り方があるのだから徒に安売りすることはないし
その格式を守ってあげることを考える人が傍にいるといい